ヨーロッパ中世美術論集
祈念像の美術
〈ヨーロッパ中世美術論集〉第3巻
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The Art of Devotion [Collected Papers on Medieval Art in Europe 3]
edited by Mikinosuke TANABE
General Supervisor: Koichi KOSHI
ドッチョ・クレヴォレのマドンナ
【目次】
口 絵
序 祈念像とは何か?─その形態と機能について─(田辺 幹之助) 5
第一章 祈念像の前史と成立
- 《オディギトリアの聖母子》と《悲しみの人》の両面イコン(カストリア、ビザンティン博物館)をめぐって(橋村直樹) 31
- ドゥッチョ作《クレヴォレのマドンナ》─聖母に触れる幼子像─(吉澤早苗) 57
- 美しき聖母とピエタ─1400年頃のマリア祈念像と優美様式─(大野松彦) 77
- 祈念像と時祷書─中世末期の祈念の表現と《ロアンの大時祷書》─(髙木 真喜子) 106
第二章 祈念像の展開
- 祈念像としての死者イメージ(小池寿子) 133
- 祈念像としての「聖グレゴリウスのミサ」(田辺 幹之助) 165
- 祈りの空間─ニュルンベルクのザンクト・ローレンツ聖堂におけるシュトース作《天使の挨拶》─(岩谷秋美) 196
- ティルマン・リーメンシュナイダーの《マリア祭壇》(薩摩雅登) 219
第三章 初期ネーデルラント絵画と祈念像
- 清貧のクラリス会の祭壇画─ロベール・カンパン周辺作品を中心に─(鈴木伸子) 249
- ロヒール・ファン・デル・ウェイデンのマグダラのマリア─祈念への誘い─(荒木成子) 269
- 持ち運ばれる祈りの絵─ヘラルト・ダーフィトの小二連画から─(元木幸一) 293
第四章 中世と近世の狭間で
- 叡智の櫃(arca sapientiae)─フラ・アンジェリコ作「銀器収納棚」装飾にみる記憶術的概念図と祈念─(水野千依) 321
- 「聖顔布(Mandylion)」の変容と帰結─レオナルディズモの《サルヴァトール・ムンディ》とフランドル絵画の関係─(江藤匠) 357
- 版画、祈念画、贖宥(保井亜弓) 375
- 近世初頭のドイツにおける「悲しみの人」の諸相─プライデンヴルフからデューラーへ─(平川佳世) 403
- 宗教改革と芸術の狭間で─ドイツ・ルネサンス期における祈念像の問題─(青山愛香) 425
執筆者一覧 451
あとがき 454
索 引 462